13. 峠の標識

峠の標識南チロルの峠の麓(ふもと)には写真のような告知板が立てられています。左上からイタリア語、その右がフランス語、左下が英語、その右がドイツ語で、「開通」を意味していて、「峠が通れますよ」とドライバーに知らせてくれているのです。これは、スイス辺りだと全天候型の電動掲示板になっていたりするのですが、ここでは誰か係りの人が来て手で引っくり返すのでしょう。のどかな感じがしました。

以前ゴットハルド峠に行った時にスイスの国境の係りの人がやはりバイク乗りで詳しく手書きの地図を描いてくれたのですが、「高度の高い峠で天候が急激に変わって落雷の危険を察知したときにはバイクを捨てて身を隠せ、命のほうが大切だろう」と2度も3度も念押ししていました。確かにアルプスの上の方の山間部の落雷はこの世の終りかと思うような暗い色の雲が突然に現れて、空気中にカミナリを放電しまくるみたいな場合があります。雨量も洪水かと言う程に多く、雹(ひょう)や霰(あられ) に叩かれることもありますので、ちょっと身震いしたことを覚えています。

雪や凍結だけではなく、悪天候の場合や落石があった場合などにも峠は通行禁止になるようです。例え峠のゲートが開いていようとも、また閉まっているような脇を素通りして事故にあった場合(告知板が通行止めだった時)は、保険会社などが一切の支払いを拒否するでしょう。こちらでは赤信号で渡って車に轢かれて死亡たら、轢いた方から車の修理代を請求されても、轢いた方は免責です。赤信号を無視した時点で一切の責任は被害者にあるわけです。