6. 楊枝

楊枝なんと南チロルのレストランに日本式の楊枝がありました。欧州も確実に進歩しているようです。楊枝がオリーブオイルの横に鎮座しているのもドイツ語圏とはいえイタリアンぽくて一人で感心していました。昔、思いがけない親切なサービスを受けた時、「あなたは掃き溜めに鶴です」みたいなことを何とかドイツ語で訳して伝えたのですが、その相手は理解できなかった時がありました。私の説明の仕方に問題があったように思います。この楊枝を見かけたときも給仕のお姉さんに何か言おうとしたのですが止めました。「ここに日本式の楊枝があったのに感心しました、欧州も確実に進歩しているんですね」なんて言った日にはどんな風に変に思われるか危惧したからです。料理はおいしかったし、歯に詰まった肉の繊維もこの楊枝で無事に取れました。ここに楊枝が無かったら、手のひらで口を隠しながら他の手の指の爪でほじるか、指で摘み取るか、部屋に戻って救急セットの中の楊枝を使うまで我慢するしかなかったわけですのでラッキーでした。