49. 祠(6月)

祠(6月)アルペン地方(ドイツ語圏 / ドイツ・オーストリア・スイス・南チロルの山岳地帯)を旅していると、こういったものを小さな村の道路脇で見かけたりします。日本人的には “祠(ほこら)” のように見えるのですが、一神教圏(キリスト教)ですからそんなこともなく、Gartenzwerge(ガルテンツベルゲ/庭の小人たち)も置いてありますから、誰かが 「暇を見つけて作った」 ものでしょう。小市民的な「ほんわか」 したものを感じます。「ほっとする」 です。

山の中に点在する小さな村々は、昔は冬に雪で互いに閉ざされ、今の様に 「夏の観光」 など無い時代ですから、収入の道も限られ、日本での 「出稼ぎ」 のようなものを、「おと」 ではなく 「わらし」 がしていた時代です。日本での 「野麦峠」 のように、遠くの富農や町のお金持ちに 「小さな召使」 として 「買われていく」 時代が長く続いたらしいです。期限がくれば帰れたようですが、行き帰りの途中でノタレ死ぬ事もあり、大変な苦難を強いられた子供たちがいた地域です。

この地方の住人がこのようなオブジェを見ると私と違った 「感慨」 が湧くと思いますが、その「気持ち」 をトレースするためには、色々な本を読んだり、実際に話を聞く作業が必要になる、 「厄介な仕事」 になります。しかし、そうやって住人と観光客の溝のようなものを埋めないと、ずっと 「勝手な解釈のまま終わる」 になるに違いありません。そして、結構な情報を仕入れた後でも、その 「想い」 が重なる事は有り得ないのですが、 「共感」 することは可能かも知れません。