41. いわくのパフェ

いわくのパフェイタリアの地方道を汗だくで快走中、教会の広場の前の、この位の村にしては、かなり立派なアイス・カフェの野外席で、ほぼ満席の人たちがパフェの類をおいしそうに食べていました。

こんな光景を見ると、停まらざるえない訳です、私の場合。しかし、南チロルの端っこの、相当に辺鄙な村。こんな村に多分、日本人と言うより、アジア人自体がまず来ない。そんな場所に、ライダースーツに身を固めた、100キロを超える体格のアジア人が、素人目にも相当に大きくフル装備で最新なバイクをスルスルっと脇に停めて、ずんずんと近ずいてくる。これは、最近の猿の惑星の映画で、飛行カプセルから出てきた人間の飛行士を初めて見た、文明人としての猿的な驚きだと言うことが、経験上分かっています。

そこで、期待される反応は2つ。容認か嫌悪の表明です。満席の状態でしたが、3人席に一人で座っているテーブルが隣同士に2つあって、その一人 (50歳位の男性)に、「ここ、空いてますか?」と、ドイツ語で尋ねると、「いや、空いてない」との事。そこでその横の席のもう一人(70歳位の男性)に声を掛けると、「どうぞ」のご返事。最初の男性には連れか誰かが居て、今はトイレかどこかに行っているのだと私は理解しました。

でも、ウエイトレスが来て、注文できた頃には、その最初の男性には連れも誰も居なくて、単に私との同席を拒否したに過ぎない事が分かりました。そんな時に取る行動はひとつ、こちらもあからさまな不快感を見せてやるのです。私は椅子にだらしなく座り直して、そいつの方向に少し失礼になる位に両足を真っ直ぐに放り出しながら、にらみつけてやったのです。そいつもチラチラと私の方を見たりしていましたが、こんな行動に出られてはすぐに席を立つ訳にもいかず(男の面子が立たない)、相当な緊張感と、かなりの不快感を抱きながらも、しばらくはおとなしくしていましたが、そのうちにお勘定して去って行きました。

その直後に、同席を快諾してくれた男性にお礼を言い、そいつのテーブルに変わったのですが、椅子をわざわざ交換したのです。なぜなら、そいつの座っていた場所がこの写真の角度で良かったものの、そいつが座っていた椅子の上に座りたくなかったからです。私たちの言動の一部始終を見ていた更に隣の男性の団体客たちが、満席の中でわざわざ椅子を交換している私に一斉に視線を投げたので、「あのクソ野郎のケツで温まった椅子の上になんか座れたもんじゃない」と、ドイツ語で言い放ったら、一同びっくりしつつも、「分かるよ」のような表情をしてくれました。その後に来たブルーベリーパフェの味は、格別でした。

今は朝の4時半、より多くの峠を制覇しつつも、距離も稼ぐつもりで早起きしました。昨夜はかなり大量なビールを飲みましたが、同じものだけを飲んだので、二日酔いは全く感じられません。